2011年より青梅の時季に取り扱いを始めた、「白加賀」と「梅郷」という品種の青梅を栽培されているゆあさ農園さんにお邪魔しました。
園主の湯浅さんは、電機メーカーに勤務されていた経験があり、その時に得た知識や考え方を農業にいかしていらっしゃいます。
「食糧・水・エネルギーの自給自足」を目指す湯浅さんのお話と、農園の様子をご紹介いたします。
大きな特長は、ソーラーパネルを利用した自家発電、地下80mの地底湖より引き上げている天然水を使っていること。
湯浅さんが「食糧・水・エネルギーの自給自足」を目指すようになったのは、阪神淡路大震災後の被災地の様子を見てからだと話されていました。
災害によってライフラインがストップしてしまうのは困る、それなら自給を目指そうと考えたそうです。
自給自足のため、湯浅さんは前職での経験と知識いかしてさまざまな設備を導入されています。
現在生活のエネルギー源は、ガスとガソリンを少し買って使用する程度。平成8(1998)年に太陽光発電を使用することを決めソーラーパネルを設置し、
今では電力の95%を販売するほどまでになっています。
自家電気を使えるよう農機具の電子化を目指している、とさまざまな機具を見せていただきました。
電気自動車を導入したり、フォークリフトも自動車メーカーと協力して製造された電気で動くものを使っています。
また、ハウスも変わっていて、ビニールの張替え費用と取りかえる手間を省略したいという理由から、ガラスを使用(このガラスはビニールに比べ、コストが30倍近くかかるとか!)。
ハウス内の温度によって窓の開閉をするよう、コンピュータで管理しています。
栽培に関するモットーは「できるだけ人の手をかけずに自然にまかせる」。
電機メーカーを辞めてご実家の農業を継ぐとき化学合成農薬や化学合成肥料を使うことを止めたいと、考えたそうです。
ご自身が合成洗剤追放運動などに参加されたり、口に入るものの大切さを考えるようになったからということでした。
自然にまかせる、というのは食べ物の安全面だけでなく、作業の効率化のことも考えて、梅を育てるには次のような作業になります。
冬に木の剪定⇒春にミツバチを使って受粉させる⇒5月ころに草刈り⇒6月に収獲⇒秋に草刈り
これを収穫時は50人ほどで作業するそうですが、その時期以外は湯浅さんご夫婦とお母様の3人のみで作業されているそうです!
梅干も自園で製造。梅と塩だけで漬けているのが特長です。
「塩梅」=塩 塩が大事だと考え、できるかぎり製塩している産地や会社に訪れて確認するそうです。
近頃はさまざまな種類の塩を使った梅干を作られています。
お話を聞いていて、前職で習得された「効率化」と「自然にまかせる」という考え方がとても合理的に循環していると感じました。
青梅の季節が楽しみです。
取扱商品:青梅(季節限定)、8年熟成天日塩梅干 など
文章:こだわりや本部