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産地だよりReport

Vol.25

千葉県香取郡神崎町 寺田本家

こだわりや・こだわり市場各店のお酒取扱店のみで販売している
千葉県の寺田本家さんにお邪魔してきました。

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昔ながらの製法「生酛(きもと)づくり」で若い力が造りあげる、寺田本家ならではのお酒

寺田本家さんでは、江戸時代の延宝年間(1673~81)に現在の滋賀県から千葉県の神崎(こうざき)へ移り住み、
以来300年以上を経て、現在は24代目蔵元である寺田優さんを中心とした平均年齢30代の蔵人たちの若い力で、
機械を使わず昔ながらの手作業(てのひら造り)で本来のお酒造りが行われています。

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寺田本家さんのお酒造りは、毎年10月下旬~翌年4月初め頃までの期間で行われています。
使用されるお米は、千葉、茨城、山形の10 軒ほどの契約農家で作られる無農薬米、仕込み水は、
蔵内の井戸から汲み上げられた地下水を、炭の入った浄水器を通して、微生物の生命力を高めるクラスター(分子集団)の小さなエネルギー水にしてから使用しています。
精米したお米を丁寧に洗い水に浸漬(しんせき)し、甑(こしき)と呼ばれる大きな桶で米粒の外側が固く、中はふっくら柔らかくなるようじっくり蒸していきます。
蒸しあがったお米は熱いうちにスコップで掬いあげられ、麻布を敷いた竹のサナの上に広げ、微生物たちにとって快適な温度まで冷まされます。
その後酵素の宝庫となっている麹室に運ばれ、自家田で採取した稲麹から自家培養した麹菌を植えつけ、お米に麹菌がしっかりと染み込むように3~4日寝かせます。
良い麹ができると、白米では栗のようなほのかな味わい、玄米ではトロピカルな香りがするそうです。

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麹が出来上がったら、次はもろみの種をつくる酒母造りに移ります。
寺田本家さんでは「生酛(きもと)仕込み」という方法で仕込みを行います。
この生酛仕込みは、江戸時代中期に確立されたといわれており、自然な微生物が入りやすくなり、
また様々な微生物の生命がバトンタッチすることで醸されていく仕込み方法です。
麹室でできた麹と蒸し米を水にひたし一晩寝かせ、次の日の朝、櫂棒を使い蔵人総出で唄を唄いながらすり潰していきます。
このときに唄われるものを酛摺り唄と呼び、全部で15番まで、3回通して唄うそうです。
体全体を使って櫂を入れる作業で唄うことによって、一人ひとりの動きが統一され、均一にすり潰すことができるようになるそうです。
また楽しくお酒を造るという蔵人全員の心がひとつにまとまり、現場には和やかな「和」ができ、こうして出来上がったもろみの種には、自然と微生物が次々と発生してくるそうです。

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酒母が完成すると、お酒造りの本番といえるもろみ造りの工程にうつります。酒母に麹、蒸し米、水を加え30日以上かけて発酵を促していきます。
この間、もろみの中では麹の力によって蒸し米がだんだんと糖化され、その糖をエサとして酵母菌が発酵してアルコールを産出していくのです。
発酵の際には、酵母菌の活性化が進みぶくぶくと泡立ち、蔵の中は発酵の良い香りが広がります。

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もろみには毎日櫂入れを行い、もろみの状態やその日の気温によって保温や冷却の調節をすることで、微生物たちが活動しやすい場を作り上げています。 仕込みを終えたもろみは、圧搾をして生原酒と酒粕にわけられます。搾りたての生酒はコハク色をしており、口当たりがとてもやわらかいです。 圧搾後は種類によって生、または加熱殺菌をして貯蔵し、夏の間にじっくりと熟成されバランスの取れた味わいになる9月9日(重陽の節句)以降に出荷されていきます。

そんなこだわりの詰まった寺田本家の商品はこちらです!⇒寺田本家さま取扱品一覧へ

文章:こだわりや本部

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